Eさんのこと
2021/06/29
EさんはD君の妹です。中高一貫の女子高に通っていたので、中3から高3の受験間際迄通って来ました。最初から工学部航空工学科志望でした。その点に関しては一貫していて、ぶれなかったですね。理科は物理、化学2教科の受験を考えていましたが、高3の夏以降から化学がどうしても、相性が悪いようで、結局物理1教科で受験できる大学を公立、私立を幾つか受験し、最終的には日本大学の航空宇宙工学科に進学しました。
塾ではもっぱら、数学の演習を中心にしてやっていました。その場で問題を解いたり、前もって分からなかった問題を持って来た場合、解説するということがほとんどでした。
他には日本女子大の理学部を勧めて、合格しています。この大学を勧めた理由は卒業後の大学院進学先として東京大学大学院に相当数入る人がいるのと、卒業生に有名人が多いことです。何かの本に日本の女性有名人の二人に一人は、ここの卒業生だと書いてありました。少しばかり言い過ぎかもしれませんが、褒めているのであって誤解しないで下さい。勘違いしている人が多いですが、本当は女子大というだけで様々なメリットがあると聞いた事があります。勿論私自身が行った訳ではないので、憶測にし過ぎませんが、一考の価値はあるでしょう。つまらない例えで申し訳ないですが、男子は受けられないので、それだけでも競争相手が半減します。
受験生は偏差値ばかり気にしますが、その大学の持っているブランドイメージとかも考慮した方が良いでしょう。私の独断と偏見ですが、奈良女子大学、東京女子医科大学、学習院大学というのもお勧めです。同程度の偏差値であれば、おいしい大学と思われます。当然のことですが、どの大学に入るかで学生生活、卒業後の生活に、大きく影響しますから。
もう一つ大切な事としては過去問をやってみることです。偏差値と問題の難易度は100%連動している訳ではありません。結構ずれがあります。以前、指導していた時に感じたことですが、私立獣医学部の生物の入試は設問の問われ方が非常に意地悪です。問題そのものの難易度ではなく、設問のされ方です。細かいことは述べませんが、私立獣医科大学受験を考えている方は、早めに問題に目を通しておくことをお勧めします。個人的な意見としては、こんなに意地悪するのなら化学や物理で受けないと受からないのではないかと思えるほどでした。
昔教わった予備校の先生が試験問題に関して「要するに解けりゃあいいんでしょ。」と言われました。自分の中で、とてもしっくり来たので、その言葉は今でも私の頭の中に残っています。その先生は東京大学の英文科と、京都大学の数学科を卒業していました。17歳で小説を書いて、東京大学卒業後、新聞社に入るもレッドパージで首になり、仕方なく?京都大学に入り、予備校では数学を教えていました。私の尊敬している先生でした。
様々な条件、状況とか各人それぞれあるでしょうが、大学に入りたい。学びたい学問があるというのならば、とことんやるしかないですね。
D君のこと
2021/06/01
D君は、高1から高3迄通って来ました。塾ではもっぱら先取り学習をしていました。そのことによって、学校の授業は余裕を持って受けられたと思われます。他にも、前もって数学の問題を解いていて分からない問題を塾に持ってきて質問していくというスタイルで学習していました。「大学への数学」の増刊号にも手を出していました。彼にはその問題集が合っていたようでした。
一橋大学の経済を目指していて、高3になってからは、目標大学の過去問をひたすら解いていました。しかし、高3の11月頃に社会の論文形式の問題に対応できないと本人が自覚して、九州大学に志望校を変えました。その後、センター試験の結果が思ったほど取れなかったので、最終的には2次配点の高い東北大学の経済を受験し合格しました。慶応義塾大学の商学部も合格していたので、どちらにしようかと相談されましたが、本人の意向で結局東北に決めました。
彼の良いところは、勝つ為の戦略を自分なりに工夫し、適応していったことだと思われます。何が何でもこの大学と頑なに固執するのでなく、柔軟に対応出来たのが成功の要因だったと考えられます。数学だけでなく、国語のいい参考書はないかとか、他にも色々と訊いてこられました。ついつい、プライドが邪魔して他人に質問するのを躊躇してしまうのが人の常ではあります。質問できる相手、場というものはどこにでも有る訳ではないです。今しなければ、もしかすると一生しないまま終わってしまうかもしれません。そういった質問、疑問に対して、私なりに真摯に対応して来たつもりです。
彼は数学が得意だったので私立大学は社会でなく数学で受験していました。私立文系の場合、社会が得意な生徒は一杯います。一杯いるけれども、社会で満点を取るのは難しいですが、数学なら可能性はあります。その辺を狙っていって、有名私大を幾つか合格していたので、余裕を持って国立大学の受験に臨めたのも勝因の一つであったと思われます。
ところで、勉強する目的とは何でしょうか?生徒にとって切実な処では試験があるからということになりますが、究極の目的は何でしょうか?私にとっては、今迄分からなかったことが分かるようになる。また、今迄知らなかった事を知るという事になります。そういう点では全くの自己満足ということになりますが、それで構わないと思っています。勿論、勉強した、学習したからといって、必ずしも何でも分かるようになるという訳ではないですが、少しでも進歩できれば良いと思っています。実際少しずつ分かることが増えていくと、それ以上に分からないことも増えていくというのが現実ではあります。本来、学習というものが、分かっている事と分かっていない事とをはっきりさせる事と考えるのならば、自分自身の能力の限界を突き付けられる作業でもあります。そういう点では辛い部分もありますが、そういった事も含めて楽しんでしまおうという気構えで良いのではと考えています。これが、今の処の私の処世術です。老婆心ではありますが、勉強する意義、意味について自分なりに把握しておくことは、それこそ意味のあることと思われます。
自分の事;パート1
2021/05/12
私は数学に関して教科書レベルのことさえも、きちんと理解できないまま高校を卒業してしまいました。当然のごとく浪人となり、予備校に通うも全く理解不能の為、半年程で予備校にさえも通わなくなっていました。解らないまま何時間も講義を聴き続けることが、いかに苦痛かということを、その当時、これでもかというほど味わいました。当時の予備校の授業は、200人位は入れる程の大教室で要するに入試問題を解くだけです。少なくとも教科書レベルの事項は解っているのが前提です。ところが私は、それさえ分かっていなかった。
結局、予備校にも行かずに、家で赤チャートを使い、毎日10時間以上数学に時間を費やして1年間ほどかかりましたが、やっと終えることが出来ました。入試問題を3000題程解いた事になります。もっとも解いたといっても、自力で解いた訳ではなく、解答を読んだだけです。最初から自力で解くのは諦めていました。折角やったのですが、何しろ時間がかかり過ぎていますので、最初の頃、解いたことは忘れてしまっていました。ただやり終えたという達成感だけで、頭が良くなったような気には、全くなれませんでした。意味のない難行苦行ですね。
その後、「大学への数学」という東京出版の増刊号の問題集を何冊か仕上げてからは少し変わりました。この問題集は一般の参考書、問題集の解法とは別の切り口で攻めてくるテキストで、普通の解法を嫌っているのが感じられものでした。はっきり言って不親切な解答で、解法が鮮やか過ぎて何を言っているのか分からないことが、私にとってはよくありました。要するに私に力がなかったので、解答を見ても私の頭が理解出来ないという状況でした。
夜中、1時、2時過ぎて問題を解きながら、解答を見ても分からない自分が余りにも情けなくて、一人涙を流したことがある位でした。それでも我慢してやり続けている内に、徐々に分かるようになって来ました。段々とその凝った解法が素敵に感じられるようになって来ました。チャートの参考書のオーソドックスな解法より、もっと上手い解法が自分で編み出せるようになって来ました。当時、自分には数学のセンスは欠けているとずっと思い込んで来ましたが、努力で多少は補えると思えるようになっていました。そういった経験が後に数学科に入学する一因になったかもしれません。やっぱり、これで行けるという手ごたえのある本に出会えることが大切だという事を再認識した出来事でした。
大体、教科書事項もきちんと解ってないような怪しい頭の状態で、赤チャートをやろうというのは、無茶です。ただ当時の私には分かっていなかった。難しい参考書をやりさえすれば、出来るようになると思っていた。確かに遣りこなせれば、意味があるのかもしれませんが、他人が良いと言っても万人に良いという訳ではありません。向き不向きがあるので、その人に合ったやり方を見つける必要があります。自分で見つけられればそれに越したことはないのですが、独力では難しい場合も多々あります。仮に出来たとしても、私のように莫大な時間を費やしてでは辛すぎます。そういう点でもアドバイスを受けることが出来る個別対応できる塾の意義はあると考えています。
C君のこと
2021/05/01
C君は高1から大学1年迄4年間にわたり当塾に通って来ました。1年では週1回、2年では週2回、3年では週3回、大学1年では週1回です。1年の時は青チャートが学校指定教材だったので、それを使い、解らない部分をこちらで教えていくという形で進めていきました。但し、彼にとっては、解答・解説を見ても理解できない部分が多く、辛かったようでした。ある時などは、その参考書を窓にぶち投げて「こんなのわかんねー」と叫んだこともありました。その内、自分で別の参考書を買ってきて、それを使って勉強していました。
数学に関しては苦手意識があって、こちらが見ていても大丈夫かなと心配になるような状態が続いていました。その後、高2の後半辺りから本人の勉強に対する意欲の高まり(来年には受験生だというのに、このままで良いのだろうかという不安に押されてから?)を講師側が感じられるようになり、何とか青チャートを使いこなせる位にはなって来ました。
但し、チャートだけでは、それ以上の伸びは望めないと私が判断し、東京出版の「大学への数学」の増刊号を勧めてみました。しかし、彼にとってはそのテキストが合わなかったようで、止めてしまいました。「大学への数学」はかなり癖のあるテキストで、使う当事者と相性が合えば、とても良い優れた問題集なのですが、難しいテキストであるのは確かです。数学マニアの間ではバイブルですが、私が教えた中では数人しか使いこなせていませんでした。そういう訳なので、合わないと思ったら、無理して使う必要は全くありません。
はっきり言って、彼は自力で問題を解いていけるというタイプではありません。しかし、彼の強みは記憶力の良いところです。ハイレベルな入試問題の解答のストーリーを頭に入れる事が出来ます。そのことに、本人も気付いてから数学で点が取れるようになって来ました。高3になってから、旺文社の「大学入試問題正解」を勧めて、その中の適した問題の解答を覚えてしまうという勉強法に変えました。必ずしも万人に通用する方法という訳ではないですが、彼には合っていたようでした。勿論、この方法がベストということではなく、あくまでも彼に合っていたということです。自分なりに成果の見出せる方法を見つけられたのが、成功の一因でした。そんなこんなで、浜松医科大医学部に合格しました。
受験の理科は生物、化学で、物理は基礎しかやってなかったので、大学に入学してから、高校の物理をやり直す為に当塾に来ていました。当然のことではありますが、大学の物理の講義は高校の物理が理解出来ていることを前提に実施されます。現在では医師になって5年程経過しています。今でも、時折、連絡をくれることがあります。
これで行けると思える参考書、問題集と出会える、そして人と出会えることが、いかに重要なことかということですね。その為には、多少の試行錯誤はあります。中々自分に合った問題集に出会えない、これだと思える参考書に出会えない、人と出会えないという状態が続いても、諦めないことです。継続していれば、いつか出会えます。個別指導の塾では個人個人に適した勉強法を見つけられ可能性が高いと思われます。当塾がそういった場を得られる処になれる事を願っています。
B君のこと
2021/04/22
B君は、高1から高3の入試直前ぎりぎり迄、当塾に通っていました。模試では東大文ⅠにずっとA判定でしたし、周りは東大理1、慶応医学部に合格する生徒がいるような特別なクラスに在籍していました。毎日5時間程度、英数を勉強して、休日にまとめて理科を勉強する。国語は苦手なので、Z会の添削を高1の初めからやり続ける。このスタイルが高校に入学してから卒業迄、一貫して実践して来たB君の作った方針でした。センター試験直前迄、模試では国語が7割程度しか取れない状態が続いていましたが、実際のセンター試験では国語で9割取って来ました。継続は力なりというのを実証した事になりますね。
B君は、 自分が何をすれば良いのかの戦略がキチンと本人の中で出来ていたのでしょう。当塾では、本人が気になっている問題を一緒に解くというスタイルでやって来ました。数学の2次試験において、京大は整数問題が良く出るというので、一緒に「大学への数学」という受験雑誌の増刊号の「整数問題」を解いたりもしました。もっとも、実際に受験した年度の試験に整数問題は出なかったのですが。
東大合格も楽勝でしたが、本人が京都という土地に憧れがあって、京大法学部に進学しました。後で聞いたことですが、医学部に行こうかと考えていた時期もあったようです。元々クラスが理数科でしたので、どこにでも行けたという事です。進学校なので高2迄に数学の一通りの学習は終わっていました。
こんな風に書くと、順風満帆で何も問題がなく過ぎてきたように見えるかもしれませんが、学校においては、数学の教師と折り合いが悪く、高2から全く授業に参加していませんでした。自分の教室の机にバリケードを作って、自学自習していたとのことです。そういうことが許されるだけの実力を教師側が認めていたということでもあります。そういう訳なので、数学に関しては私の塾が学校での授業の代わりになっていました。
ところで、塾での勉強の方針は彼が決めました。当塾でやる問題もやる事もすべて彼が決めた事です。解らないこと、気になること、腑に落ちないこと、何となく解った気になっているが、実はカン違いしていることも、間々ありますね。個別対応だから出来ることです。今更解っていることを聴いたって意味がないですよね。解っていることの繰り返し学習は自分一人で出来ます。というか、自分でやらなくてはいけないことです。そんなトレーニングの為に塾を利用するのは馬鹿らしいことです。強調したいのは、この一点が分からくて前に進めないという事があります。そういったことだけを中心にして一緒に勉強して行きませんか。
A君のこと
2021/04/13
仮にA君とします。高1から私の塾に来ました。通い始めてから数回経過した時点でA君の方から「数学の教科書を使い、学校の授業より少しだけ先を学習しておきたい。」という申し出がありました。
ところで、私の塾での方針は、塾での勉強の仕方は100%生徒に委ねるというものです。学校や自宅学習をする中で解らなかった事を生徒が用意して来て、それに答えるというのが、私の塾での基本的スタイルです。実際には、進学校での教材、問題集ですが、学校で与えられたものを全て完璧にこなせば、どの大学でも入れるというものになっています。多くの生徒はそれらの問題集を完璧にはこなせていないというのが実情です。多くの生徒が中途半端にやっているだけですから、穴がありをます。その穴を突かれれば、当然出来ないということになります。「少しだけ先」というのがみそですね。余り先に進め過ぎても、内容が深まらないままでは意味がないです。
A君の場合、やった分野に関しては、完璧を目指して、相当な難問もやっていました。教科書と並行して、問題集(これは、どの学校でも使用し教科書準拠)、青チャートが学校での課題書でした。与えられた教材だけでは1年の終わり頃には、やることがなくなってしまい、数学と生物に関しては入試問題を解きまくっていました。
基本を身に付けるには、基本問題、公式を当て嵌めるだけの易しい問題だけをやっていてはダメです。難問をやらなければいけません。難問というのは、こちらが分かっていると勘違いしていることの盲点を突いて来るので、それに答えることによって、初めて本質が見えてくる。公式の本当の意味,意義、概念の理解が深まって行くことになります。なお、生物、化学で受験すると早期から決めていたので、物理は適当に手抜きしてやってたようでした。
ところで、A君は2年迄で当塾を辞めてしまいました。やることが無くなってしまったという訳ではないでしょうが、自分で出来る。誰か教わる必要ないというのが正直な処と思われます。そして、それもありかなと私は感じています。自分で出来るという自信があるのならば、塾や予備校に行く必要は本来ありません。元々A君は私の塾に来る迄、塾とか予備校というものに通ったことはなかったということでした。要するに出来る子としてずっと生きて来て、塾の必要性を感じなかったということだったのでしょう。その後、学校の授業と自学自習だけで、合格しました。それでも2年間、私の塾に通って来たので、それなりに意味があると彼なりに思っていたのかと好意的に解釈しておきます。A君には特に難しいことを教えた訳ではありません。教科書の内容と時折、本人が気になる問題を持ってくる程度です。但し、公式の本質に関わること、意義、概念に関して詳しく説明したつもりです。
どういう形でも構わないので、自分なりのスタイルで私という講師、塾を利用して頂ければ良いと思っています。私の役割というのはコーチですから。マラソンのトレーニングにおいて、コーチがバイクで伴走しているのと同様です。実際に走るのは本人ですし、努力するのも本人ですが、コーチとして的確なアドバイスが出来ればと念じています。
あえて、付け加えるのならば、彼が名古屋大学医学部に合格出来たのは、彼の頭が元々良かったから。標準を遥かに超えていたからであって、私の塾に来たからではありません。勉強するにあたって、私はA君の背中を少しばかり押してあげただけです。
出会い
2021/04/08
20代の頃から今日迄、家庭教師、塾、予備校に関わって来ました。今から25年ほど前から個人塾を立ち上げて、マンツーマンで教えるようになりました。その間も、並行して予備校の講師は継続していました。それ以外の職業も経験していますが、そういった中でも、連綿として人に教えるという事を継続して来ました。教えるということが好きなんだと感じています。生徒が質問を持って来る、あるいは疑問をぶつけて来る。それに対して、すぐに返答出来る場合もありますが、しばしば、一緒に悩んだり考えたりすることもあります。そのことが学習だと考えています。そういう点でも一対一で対応出来る塾というのは、互いにとっての成長の場だと考えています。
数学を最も長く教えて来ましたが、並行して生物、化学、物理も教えるという事もして来ました。私自身は、これまでに数学、哲学、化学、看護学を勉強して来ました。18歳で高校を卒業してから54歳迄大学生をしていました。付け加えるならば、もちろん大学生だけやっていた訳ではなく、その間、仕事もしていました。
勉強していると、解らないこと、納得出来ない事、腑に落ちない事が多々あると思います。そういった事を解消して行くのが学習だと考えています。高校生が主ですが、今迄来てくれた生徒の中には、大学生(再受験、高校の教科の再学習)、浪人生、社会人もいます。どのような境遇にあったとしても、勉強する意欲(現在の能力は別として)さえあれば喜んで歓迎します。2時間という枠の中で、大学受験の理数系教科であれば何でも良いので、一緒に勉強していきましょう。